日本にはない海外の文化「チップ」。
普段のわたしたちの生活にない習慣なので、海外に行くと戸惑ってしまうことも多いですよね。
- どういう時にチップを払えばいい?
- チップの相場は?
- チップはどうやって渡せばいい?
など、語学学校のカウンセラーとして勤務していた時は多くの学生からチップに関する質問を受けました。
今回はそんなチップに関する疑問にお答えします。
- チップが渡すべき場所と不要な場所がわからない
- どれくらいチップを渡せばいいのかわからない
- チップの計算方法や渡し方を知りたい
カナダのチップ文化

カナダではチップはサービスを受けた時に支払う対価です。
なので、チップを支払うことはマナーにも相当します。
実は飲食店やサービス業の給料はチップがもらえることを考えて低めに設定されていることがあります。
チップの相場
チップは一般的に10%〜20%を支払うことが多いです。
私が学生の頃、先生がどうやってチップのパーセンテージを変えているのかをこうやって教えてもらいました。
10%:サービスがあまり良くないが苦情を申し立てるほどではない時
15%:自分が思っていたレベルのサービスを受けた時、特にサービスに不備がない場合
20%:特別なサービスを受けた時、サービスが素晴らしかった場合
基本的にはサービスを受けたお客さん次第なので、あまり難しく考えすぎなくてもいいでしょう。
チップが必要な場所とチップの目安
チップを渡すべき場所(人)
カナダではサービス業に従事している人にチップを渡します。
主にチップを渡す職業は
- レストランのサーバー
- フードデリバリーやグロッサリーデリバリーの配達員
- バーテンダー
- コートチェック
- ホテルスタッフ(主にハウスキーピング、メイド、ルームサービス、ベルスタッフ、バレーサービス)
- 美容師、エステティシャン、マッサージ師
- タクシーやライドシェアの運転手
チップの目安
チップの金額は受けたサービスや業種によっても異なります。
下記に職業・場面別の目安を紹介します。
飲食店
レストランやカフェ、バー:料理や飲み物の10〜20%
飲食店でチップを支払うのはサーバー(ウエイトレスやウエイター)があなたのテーブルに来て注文を取ったり、料理を運んだりする場所であればチップを支払います。
バーの場合には注文毎に支払いを行う場合にはその都度バーテンダーに支払います。
また、レストランが混んでいてテーブルが空くまでにバーで飲み物だけオーダーする場合にはテーブルが用意された際にバーでの会計を済ませておくか、飲み物の分だけバーテンダーに渡します。
ファストフードやフードコート、コーヒーショップでは基本的にチップは必要ありません。
フードデリバリー、グロッサリーデリバリー:$2〜または、注文の10〜15%
ホテル、空港
空港のポーター: 荷物1つにつき$1〜2
ベルマン:荷物1つにつき$1〜2
ハウスキーピング(ベッドメイク):一泊あたり$1〜2
ルームサービス(食事):料理の10〜15%
ルームサービス(物):$1〜2
美容院・スパ・マッサージ
美容院、スパ、サロン:料金の10〜20%
マッサージ・セラピスト:人や場所によりけり
タクシー・ライドシェア
タクシー・ライドシェア(Uber、Lyftなど):料金の10〜15%
チップの計算方法と支払い方法
チップの計算方法
カナダ、オンタリオ州の場合、レストランでの飲食には13%の税金(HST)が加算されます。
チップの計算は税金が加算される前の小計(Subtotal)の金額で計算します。
例)料理の合計:$30.00
税金13% : $3.90
合計 :$33.90
⬇
15%チップ
税抜金額$30.00 X チップ15%= $4.50
⬇
税抜金額:$30.00
税金13%: $3.90
チップ: $4.50
支払い合計:$38.40
チップの支払い方法
チップの支払いは基本的には会計と一緒に行います。
ただし、ホテルではいろいろなサービスがあるため、そのサービスを受けた時に直接ドアマン、ハウスキーパーなどにチップを現金で手渡します。
クレジットカードやデビットカードで支払う場合
クレジットカードやデビットカードで支払いを行う場合にはチップを上乗せして支払います。また、チップだけを現金で支払うこともできます。
最近のカナダのレストランではレシートにチップ金額と合計金額を記入する方法ではなく、カードマシーンでチップの金額や%を入力することが多くなっています。
カードマシーンでの支払い時にはチップは「金額」を自分で入力するか「%」にてマシーンに自動で計算してもらえるか選択することができます。
「%」での支払いを選んだ場合には通常、税金を含んだ合計金額から指定した「%」の金額の支払いとなります。
現金で支払う場合
会計を現金で行う場合にはチップ込みで支払いをします。
多くのレストランではテーブルで会計を行うので、チップを上乗せして現金をテーブルの上に置いてレストランを出ます。
また、両替して欲しいときや、お釣りが欲しい場合にはその旨伝えるといいでしょう。
レストランの会計時に使う英語フレーズ
会計をお願いする
●会話1
サーバー:Would you like anything else?
(何か他にいかがですか?)
客:No, just bill please.
(いいえ結構です。会計をお願いします。)
●Excuse me, can I have bill please?
(すみません。お会計お願いします。)
チップが含まれているか確認する時
●Is the tip included?
(チップは含まれていますか?)
両替をお願いしたいとき
●(お札を出しながら)Could you break this?
(崩してしていただけませんか?)
●Could you change this to small bills?
(小さいお札に替えてもらえませんか?)
お釣りについて
●Keep the change.
(お釣りは取っておいてください。)
●Can I get $5 back?
(お釣りとして$5ください)
チップを直接渡したい時
●This is for you.
(あなたへのチップです。)
格好いいチップの払い方とヒント
チップを渡す時にはもたもたせずサラッと渡したいもの。
会計時にスマホの電卓をたたきながら計算するのはちょっと格好悪いですよね。
私がよく使う技は税金欄(オンタリオ州は13%)に記載されている金額を見て、それより多めに、そして合計はなるべく端数が出ないようにしています。
例えばチップを含めた合計は$24.75の場合は$25とか。
また、ジャラジャラした小銭を置いていくのもあまり格好良くないですね。
小銭を置いていくなら$1(Loonie ルーニー)か$2(Toonie トゥーニー)、小さくても25¢(Quarter クウォーター)かなぁと思っています。
チップQ&A
Q.サービスや味が悪くてもチップは必要?
よっぽどのことがない限りチップは置いていきましょう。
苦情を申し立てるほどでなければチップを少なめにおくのがいいでしょう。
あまりにもひどい場合でも何も言わず、チップも置かずというのはマナー違反です。
サーバーに直接はいいづらいこともあるので、マネージャーなどに話をしましょう。
また、味については料理が提供されてすぐに火が通り過ぎ、生焼け、塩加減が足りないなどは調節してくれるレストランが多いので遠慮なくサーバーに申し出ましょう。
Q.レストランのテイクアウトではチップは必要?
レストランで食事をするのと同様のサービスを受けていないため、一般的には渡さない人が多いようです。
ただ、あげてはいけないということはないので、お釣りをいらないと言ったり、レジの横にあるチップ入れに小銭を入れていくことはよくあります。
Q.チップが少なかったり、渡さなかったりするとどうなる?
面と向かってチップが少ないと言われることはほとんどないでしょう。
でも、レストラン側が少ないと思うと一旦お釣りを出すことがあります。
問題がなければチップを置き直します。
不要なトラブルを起こさないためにも何か問題があればマネージャーなどに話をするようにしましょう。
Q.ベッドメイキングのチップはいつ置くのがいい?
ハウスキーピング、ベッドメイキングのチップはその日毎に置くのがベストです。
というのも、毎日同じ人があなたの部屋を担当するとは限らないからです。
チェックアウト日にまとめておくとその日の担当者かそれ以外に部屋に入るスタッフが持っていってしまうこともあります。
また、部屋にチップを置く場合にはメモを添えたり、枕の下や上、ベッドの上などチップだとわかるように置いておくのがポイントです。
まとめ
チップの仕組みやマナーはいかがでしたか?
予備知識として頭に入れておいても現地に行くとチップを渡したほうがいいのかどうか迷ったりする場面も出てくると思います。
カナダはチップ文化が根付いているので究極は「迷ったら支払う」
もしもチップが不要だった場合には相手が丁寧に受け取りを断るので安心してくださいね。